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夜咄の前茶稽古の様子


夜咄はいやゆる夜会のことで、冬至から立春までの間夕暮れ時から行われる茶事のこと。この時期は夜が長くなりますので、その夜を楽しんでいたのではと思っています。

昔は電気はありませんでしたから、灯りに短檠(たんけい)・行灯・手燭などを使っていました。お稽古は正式な道具とは異なりますが、安全のため蝋燭型のライトを使用しています。茶室内の灯りは落として雰囲気を味わっていただきました。

 お稽古は、夜咄の中の前茶(ぜんちゃ)をやりました。これは、お客様が夜咄茶事にお越しになって茶室に入られてすぐ点てる薄茶です。寒い中お越しいただき温まっていただこうというおもてなしの一碗です。

 

ちなみにこの夜咄の場合、一般的に、お花の代わりに石菖を飾ります。石菖は生薬だそうで、香りが良いそうです。厳密には違いますが、菖蒲と似た香りがあるそうです。

今回のお稽古では、お約束とは異なりますが、万両・磯菊・小菊を飾りました。

 

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コメント: 1
  • #1

    二荒弁慶 (日曜日, 27 12月 2020 15:23)

    夜咄の茶事に向けた前茶の点前の稽古に驚きました。見るとやるとでは大違い。水指が置かれないだけで空間認識が混乱し、また薄明かりで遠近感や道具の質感が変化。これだけでヴァーチャルな世界にワープ。しかしリアル。心が洗われました。